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巨大なドームを持つH.モーザーの立体トゥールビヨンを解説

フュメダイヤルは、写真のオフホワイト以外にバーガンディやアイスブルーなど全5色を展開。各色限定15本。ケースサイズ:42㎜ ケースの厚さ:19.5㎜ ケース素材:SS ストラップ:アリゲーター 巻き上げ:自動巻き 搭載キャリバー:Cal.HMC 810 防水性能:30m 振動数:毎時2万1600振動 パワーリザーブ:約72時間 ムーブメントのパーツ数:184個 石数:29石 ムーブメントの直径:32㎜ ムーブメントの厚さ:5.5㎜
価格:950万円
問:エグゼス
TEL:03-6274-6120

巨大な透明ドームが包み込む2つの立体的メカニズム
まさにドーム型と呼ぶにふさわしい半球状のサファイアクリスタルの中で、高く持ち上げられたフライング・トゥールビヨンと、40度に傾斜したインダイヤルが競演する。ブルガリ 時計 オーバーホール 価格外観も機構も、立体的に構築された特異な腕時計は、ともに独立系ブランドであるH.モーザーとMB&Fとのコラボレーションによって生まれた。両社は、H.モーザーの姉妹会社プレシジョン・エンジニアリングが製作するひげゼンマイを通じ、10年にわたって良好な関係を続けてきたという。MB&Fは、まずコンセプトを決め、それを実現できるパートナーと手を組み、独創的な時計を製作してきた。そして今回、提携先として選んだのが、H.モーザーだったのである。

冒頭で述べた立体感を織り成す3つの要素は、MB&Fによるアイデア。それに対しH.モーザーは、グラデーションが美しいフュメダイヤルと透明なインダイヤル、そしてひげゼンマイを提供した。

そのひげゼンマイこそが、このフライング・トゥールビヨンが高く持ち上げられている理由。航海用マリン・クロノメーターで多用された、円筒形のひげゼンマイを採用しているからだ。テンワの振動に準じて同心円状に伸縮する円筒形ひげゼンマイは、天真のホゾ(軸の両端)にかかる負荷が、一般的な平ひげゼンマイよりもはるかに小さい。さらにこのモデルでは、各終端を内側へと巻き上げて形作り、伸縮時の偏心も軽減させている。

インダイヤルを40度に傾けているのは、3次元ムーブメント。開口部から斜めに突き出す歯車には、ダイヤルの下で円錐の外周に歯切りした傘車を介して香箱の駆動力が伝達される。こうして針を動かす歯車の40度傾いた回転方向を、ダイヤルを貫く軸に設置した傘車が水平に変換し、トゥールビヨンへと駆動が伝達される。インダイヤルを傾斜させたのは、装着時に時間を読み取りやすくするため。トゥールビヨンを含め、立体的な構成には、どれも機能的な理由があるのだ。